昭和期に実施された再生事業で、浚渫土の有効利用として水田跡地に池をつくって投入し、新しい湿地を造成する工事が行われました。木道入り口から、人工湿地1、2、3、4の順に並んでいます。現在、本来の湿原と同様の植生状況が出来てきて、湿生植物を最も近い距離で観察できる場所になっています。また、水生のタヌキモ類の観察にも適しています。
人工湿地1:春期は手前半域がミツガシワ群落になりますが、その後チゴザサ-マアザミ群落に置き換わります。中部域はオオミズゴケ群落、下部域は水域でジュンサイ、ヒツジグサが生育しています。湿地縁部にはカキランが多く見られます。
人工湿地2:全域がオオミズゴケ群落になっています。次第にオオミズゴケの生育量が増え、トキソウなどの湿生植物の生育量が減少しつつあります。また、中央部の水路も閉塞状態になりつつあります。そのため、オオミズゴケの生育量調節(剥ぎ取り除去)が行われています。人工湿地の中ではトキソウが最も多く生育しています。
人工湿地3:上部域にチゴザサ-マアザミ型群落、中部域は水域でヒツジグサ群落、下部域はオオミズゴケ群落が広がっています。樫原湿原の中でヒツジグサ群落の観察に最も敵した場所です。
人工湿地4:ほぼ全域が水域で浮葉性のジュンサイ群落の中に抽水性のカンガレイ群落とシズイ群落が混生しています。