サギソウ

  夏の樫原湿原を代表する植物。あまりに有名で、冬でも「サギソウはどこですか?」と尋ねてくる人がいるほどです。
 花は径3cm程で、1花茎に1~3個つきます。中央の花弁(唇弁)が3つに分かれ、両側の部分が細く裂けて白鷺が羽を広げたような姿になることから「サギソウ」の和名があります。花の後方に伸びる管状の部分(距)には蜜が溜まっていますが、それを吸えるのは同じ長さの口吻をもつスズメガ類などに限られます。
  かつては国内各地の湿地に比較的多く生育していましたが、近年は生育地の消失や過剰採取などにより減少し、野生状態でみられる場所は限られるようになってきました。
 江戸時代から鑑賞用に栽培され、多くの品種があります。葉に白い覆輪がある「銀河」は最も古い品種の一つ。花に芳香のあるものもあります(「香貴」)。

 花期:7月中旬~8月  高さ(花茎):15~50cm
 分布 国内:北海道~九州
    国外:千島、朝鮮半島、中国


ラン科 ミズトンボ属  鷺草
Habenaria radiata (Thunb.) Spreng.