樫 原 湿 原

 佐賀県中央部の標高590mに位置し、古くから地元の人々が関わり、守ってきた里山の湿原です。貧栄養型の低茎湿原からヨシ・マコモの高茎湿原まで連続的な湿原形態が見られる他、ジュンサイ、ヒツジグサが生育する水域、周辺の森林と草原など、生態的多様性に富むとともに、ミツガシワ、ヒメタヌキモ、シズイ、トキソウ、ハッチョウトンボなど特殊性、希少性の高い動植物が多数見られ、九州でも屈指の自然環境となっています。中心部の8haは佐賀県の自然環境保全地域特別地区に指定され、継続的な保全が図られています。
 爽やかな高原のたたずまいと都市部からのアクセスの良さもあいまって、春から秋にかけて多くの来訪者がみられます。(年間を通して無料開放されています。)                        

<→ 今日の樫原> 

   樫原湿原の最近の様子や日々の話題を紹介しています。          

2023年7月10日豪雨大災害になりました。

生き物たち

 野焼きとともに、湿原の一年が始まります。
 春のミツガシワに始まり、 初夏のトキソウ、ハッチョウトンボ、 夏のサギソウ、ヒツジグサ、 秋のアケボノソウへと季節にあわせて多様な生き物たちにであえます。

 

<→開 花 情 報

 湿原とその周辺で開花中の植物を紹介しています。

<→湿原の生き物たち

 観察できる植物を生育環境毎に紹介しています。
 動物はトンボ類と両生・は虫類を中心に紹介しています。

< →観察マップ

 全体見取り図があります。
 また、地域毎の植物相と植生を紹介しています。

湿原を守る

 樫原湿原はふるくから地元の人々が稲作を中心とした農業に利用し、火入れや採草、森林の伐採(薪炭林としての利用)などの管理を継続的に行う中でつくられてきた自然(二次的自然)です。そのため、人々の適度な関わりがなくなると森林に変化していきます(遷移)。昭和中期以降、そのような関わりが低下する中で湿原は次第に劣化していきました。そのため、佐賀県によって湿原保全のためのいろいろな取り組みが行われてきましたが、特に平成17年度から4年間、大規模な自然再生事業が行われ、その後も維持管理が継続されています。
                            →保全の取り組み

自然再生事業
平成17~20年度
地元住民による野焼き
ボランティアによる落ち葉かき作業
草刈り

<→樫原湿原パンフレット(佐賀県)

湿原を理解する

 湿原での学習会や出前授業などの取り組みが行われています。小さな「知る」から「生物多様性、保全」への理解の深まりや行動の広がりに繋がることが期待されます。
 また、継続的なモニタリング調査や研究機関による環境調査等も行われ、湿原を守る取り組みに生かされています。

夏の親子学習会
ボランティアによるガイド
地下水位調査
モニタリング調査

※ 注意! 動植物の採取は出来ません。「湿原マップ・留意点」を参考に、正しく利用しましょう。

Kashibaru Marsh 
Collecting plants and animals is not allowed.