モニタリング調査

 平成17-20年の再生事業後、植生状態の変化を追跡調査(モニタリング調査)しています。調査は大きく2グループに分けられ、片方は、再生事業実施当時、植生状態が比較的良好で、再生事業をしなかったグループ、もう片方は、当時、植生状態が劣化していて、再生事業を実施したグループです。再生事業未実施グループはあまり変化しないか、かなり緩やかに変化(遷移)する、再生事業実施グループは初期段階では激しく変動し、その後、緩やかに適性群落に変化すると予想していました。変化の一部を以下に紹介します。

1.再生事業未実施グループ:貧栄養低茎群落域
 ほぼ安定的に推移しています。

2013年夏:コイヌノハナヒゲ群落
2024年夏:同群落(ほぼ変化なし)

2.再生事業未実施グループ:湿生低木林
 2013年当時は高さ1m程のオオミズゴケーイヌウメモドキ群落状態でしたが、その後、次第にミヤコイバラが繁茂し、2024年夏には、群落高2.5mのオオミズゴケ-ミヤコイバラ群落状態になってきました。群落上部の植被率は40%から95%程度に増加し、群落相観は藪状になっています。

2013年夏:オオミズゴケ-イヌウメモドキ群落
2024年夏:オオミズゴケ-ミヤコイバラ群落に変化

3.再生事業実施グループ:浚渫実施域
 春期にはミツガシワが優占する中茎群落(チゴザサ-マアザミ群落)生育地を深さ30-50cm程浚渫し、水域状態にしました。その後、すぐに流入土砂が堆積し、湿生群落が生育するようになりました。

2010年夏:水生植物群落が生育
2024年夏:中茎の湿生植物群落に変化

4.再生事業実施グループ:令和5年豪雨被害
 再生事業で湿生低木林(オオミズゴケ-イヌツゲ群落)を剥ぎ取り、中茎湿生草本群落を再生させることを想定していました。順調に目標植生に変化していましたが、令和5年7月豪雨で上部域から花崗岩風化土(真砂土)が流入し、厚さ5-15cm程堆積しました。その後、堆積土を可能な限り除去しましたが、1-5cm程の堆積土砂っは取り除けませんでした。現在、堆積残土がある状態で、その後の変化を追跡中です。写真2枚目は土砂堆積時のものです。

2022年秋:中茎湿生群落が生育
2023年秋:流入土砂が堆積した状態