2023年(令和5年)

樫原湿原の開花情報をお伝えします。
    2023年(令和5年)

<Flowering Information>

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11月17日

 前回の開花情報から随分と日数が経ってしまいました。そして、開花している花もほとんどなくなりました。もしかしたら、これが今年最後の開花情報になるかも知れないという、とんでもないことになってしまいました。開花情報を心待ちにしていただいていた皆様、お詫びいたします。

リンドウ(11/13)
キッコウハグマ(11/13)
ツルリンドウ(11/13)

 今週の初めまで、最後の最後の花々が、湿原の所々で名残惜しそうに咲いていました。一方で、防火帯用の草刈と防火線設置(ベルト状の刈草の焼却)は急がないと隣接草原に延焼してしまいます。限界です。14日以降、木道・木柵沿いの草は1m以上の幅で刈り取りました。リンドウは容赦なく切りました。近くで写真を撮れるものはもうありません。ウメバチソウは種の落下を待っていますが、来週には草刈予定です。林縁部のキッコウハグマやツルリンドウも、もう花を見つけるのがほぼ無理な状況になりました。とうとう、秋が終わりました。

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9月23日

 湿原はもう秋から晩秋にかけての雰囲気が漂っています。オミナエシは終わりに近づき、替わってススキの花が咲き始めました。林床や林縁ではツリフネソウ、ママコナ、ツルリンドウ等の花が見られますがすでに峠を越えました。林道沿い等では稀にツルニンジンの花にも出会えますが、こちらも終わりに近づいています。
 最近、ちょくちょく若いお嬢さんが来られます。スマホの写真を見せてもらったら綺麗な花がたくさんでビックリ。ピントもバッチリです。どうもかなりのマニアのようですが、今日はにっこり笑って「アケボノソウが咲いていました!」と。「え~!どこ?」 集落監視員の中島さんと急ぎ現地確認(人工湿地)。確かに1輪。今年の初花です。これから徐々に花数が増えていくでしょう。

ツルニンジン

 湿原域ではシロイヌノヒゲが多く見られます。その上にはサワギキョウもまだまだ目立っています。中茎から高茎にかけての群落域ではミゾソバ、アキノウナギツカミ、ヤノネグサ等のタデ科の植物とサワヒヨドリが満開状態です。
 サギソウはもう完全に終わりました。ミミカキグサ類はまだ残り花が見られますが双眼鏡が必須です。遅い時間ではヒツジグサ、ミズオトギリ(いずれも人工湿地が良いでしょう)の花も見ることができます。ただ、ミズオトギリの開花はは午後4時半頃以降です。

ミゾソバ
アキノウナギツカミ

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9月20日

 湿原ではサワヒヨドリが最盛期になっています。とりわけ湿地Ⅴ、Ⅶでは広い面積に群生する様子が見られます。残念ながら両地域には入れませんが、湿地Ⅳの下部域にもまとまった群落が広がっています。中之島周回コースを回ってみて下さい。
 湿原域周辺の草原にはノダケが目立っています。近づいてじっくり観察すると、雌性期、雄性期の花序が見られます。咲き始めは雄性期、それが終わると雌性期に移っていきます。どちらも雄しべや雌しべの基部(花床)には蜜線から分泌された水滴状の密が見られます。これを求めてスズメバチもやってきています。いよいよ秋です。

群生するサワヒヨドリ
花の色もいろいろ
ノダケ
雌性期の花序
雄性期の花序

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9月4日

 この時期、各所でツリフネソウの花が見られます。湿地Ⅱから湿地Ⅳ方向に進む当たりの林床や湿地Ⅰ周辺の林内など。それより、湿原に来るまでのスギ林の林床には各所に大群落が見られます。
 ところが今日は、そんなスギ林の1カ所に白花のツリフネソウ(シロツリフネ)が咲いていると教えてもらいました。早速現地に行ってみると、赤いツリフネソウ群落の中に数株のシロツリフネが咲いていました。久しぶりに会えて、ちょっとハイテンションに。正面と横顔の両方で、花弁にマルハナバチの足跡傷が付いていないものなど、欲張りな条件を満たすように撮影ポイントを確認している内に、群落内をどこそこ踏みつけていました。ツリフネソウさん、どうもすみません。まだまだ修行が足りないですね。(帰ってから、テレビで禅寺の話があっていました。座禅にでも行こうかな)

ツリフネソウ
シロツリフネ

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8月31日

 普段はあまりやらない花のアップを撮ってみました。あらためて花の形を眺める良い機会になりました。みんな、いろいろと工夫していますよね。それに美しい! 感心します。
 ミズトンボの花は口吻を横から入れるのか、それとも真上から? オミナエシの花はどこもここもみんなまっ黄色でした。 ナンテンハギの花びらの赤い脈は何か意味があるのでしょうか?かなり派手ですが。

ミズトンボ(上から)
ミズオトギリ
オミナエシ
ミゾソバ
ナガバノウナギツカミ
ナンテンハギ

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8月27日

 湿原ではサギソウ、ミズトンボ、サワギキョウ、シロバナサクラタデ(湿地Ⅳ)、ミソハギ(湿地Ⅲ、Ⅳ)、ヒツジグサ等の花が見られます。サワヒヨドリ、シロイヌノヒゲ(イヌノヒゲ)もかなり咲き始めました。

オミナエシ
オトコエシ
サイヨウシャジン
ミヤマウズラ
ゲンノショウコ
エゾシロネ

8月8日

 先日アップしたヒナノシャクジョウですが、少しはましな花が撮影できましたので再度アップしました。開花は1花ずつのようです。地上部が出てきてだいぶ時間が経ちましたので葉(鱗片葉)も痛んでいました。来年、もう一度チャレンジです。ナンバンギセルは咲き始めです。人工湿地一帯の草原に散見されます(木道沿い等)。これからもう少し増えると思います。

ヒナノシャクジョウ 花
ヒナノシャクジョウ 葉
ナンバンギセル

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8月3日

 サギソウは場所によっては50個体以上が群落になっています。オミナエシ、コバギボウシもたくさん咲き始めました。そろそろブルービーがやってきそうな雰囲気になってきました。
 人工湿地4ではイヌタヌキモ、ヒメタヌキモの花がいつもより多く咲いています。サワギキョウは咲き始めで、これから湿原の各所に咲いて主役なっていくでしょう。以前は人工湿地で普通に見られたコガマですが、今はありません。湿地Ⅳ中央部付近には多数が見られます。

サギソウ群落
オミナエシ群落
コバギボウシ群落
イヌタヌキモ
サワギキョウ
コガマ

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7月31日

 サギソウが群落状に咲きそろい始めました。お盆頃までが見頃でしょう。オミナエシは咲き始め状態。(ブルービーはまだ見かけません。)林内にはキガンピの花が各所に見られるようになりました。その足下には小さなヒナノシャクジョウが点在。キキョウは道路横の花壇に実生個体が咲き始めました。
 現在、量的に目立つのはサギソウとユウスゲです。ユウスゲは夕方からの開花です。コバギボウシも花数が増え始めました。こちらは終日開花しています。

サギソウ群落
サギソウ
ヒナノシャクジョウ
キキョウ
キガンピ
オミナエシ

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7月24日

 やっとサギソウがちらほら咲き始めました。ただ、サギソウの生育域は昨年冬にイノシシに徹底的に掘り返されましたので、今年の開花数は少なくなるのではないかと心配しています。ユウスゲ、コオニユリなど、いつもの夏のメンバーが花を咲かせ始めました。オミナエシも咲き始めましたがまだ本番ではありません。

サギソウ
カワラナデシコ
シロバナカワラナデシコ
ムラサキミミカキグサ
ミミカキグサ
コバギボウシ
ユウスゲ
コオニユリ
リョウブ

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7月18日

 開花情報を確認される皆様、いつも有り難うございます。じつは7月10日の豪雨では地元の桑原集落も大きな被害を受けました。復旧はまだ始まったばかりで、進捗状況は「取りあえず車が通る状況を作る」レベルです。そう言う状況の中で、植物写真をアップする気分になれないでいます。ご容赦下さい。月末頃からアップを開始予定です。
 なお、サギソウ、ミズトンボはまだ花芽も確認できない状況です。開花は月末以降と思われます。

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7月7日

 現在、湿原の主役はイヌヌマトラノオとヌマトラノオでしょうか。どちらも湿原の中ではやや乾き気味の立地が主な生育地です。イヌヌマトラノオはヌマトラノオとオカトラノオの雑種と言われますが、ヌマトラノオとの間は連続的で、区別は時に悩ましいこともあります。
 モウセンゴケの花も今が盛りですが、葉は雨に打たれてかなり痛んできました。ヒメタヌキモは湿地Ⅱ、人工湿地ですが探すのはちょっと難しいかも知れません。

イヌヌマトラノオ
ヌマトラノオ
ヒメタヌキモ
モウセンゴケ

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6月12日

ノグルミ
シズイ
イチヤクソウ
イチヤクソウ(全形)
ツルアリドオシ

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6月7日

 イソノキとヤマトキソウ、どちらもこれで開花です。虫媒花なのに、これで大丈夫?と心配したくなるほどです。多分、この状態で入れる昆虫だけのお世話になっているのでしょう。それにしても随分控え目な花たちです。

イソノキ
これで開花です。
ヤマトキソウ
これで開花です。

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5月30日

 いよいよトキソウの本番となりました。特に第Ⅱ湿地と人工湿地はかなり出そろっています。湿地Ⅰと湿地Ⅲはやや遅れ気味です。今年は昨年よりやや多い感じです。来週いっぱい頃までは良い状態で観れそうです。

トキソウ
シロバナトキソウ
トキソウ
シロバナトキソウ

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5月22日

 今年もトキソウの季節が始まりました。まだ咲き始めですが、場所によってはまとまって咲いています。オオバウマノスズクサも開花が始まりました。初夏の両横綱と言ったところですが、どちらも観察には双眼鏡が必須です。ぜひご用意下さい。
 コガクウツギは再掲ですが、今が一番の見頃です。樫原湿原一帯の林床や林縁のそこここに白い花が目立ちます。

トキソウ
オオバウマノスズクサ
サイハイラン
カノコソウ
コガクウツギ

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5月17日

 5月11日にヒメコウゾ(仮)とした個体はコウゾのようです。以下に、ヒメコウゾとの違いを検討します。
 今回、ヒメコウゾとした個体は樫原湿原から数km離れた場所(七山池原)に生育していました。雌雄異株で葉の裏の毛は少なく、葉柄は5mm前後でした。葉柄および若枝の毛も樫原湿原の個体に比べると少なく感じました。これに対し、樫原湿原の個体は雄個体(雌雄異株)で、葉の裏の毛は顕著、葉柄は1cm前後で毛も多いようでした。簡単な比較から、樫原湿原の個体はコウゾ、池原の個体はヒメコウゾとしました。ただ、両植物の分類はやっかいなようで、今回ヒメコウゾとした個体が確実に「ヒメコウゾ」かと問われると自信がありません。両植物の分類に深入りすると泥沼にはまりそうな予感。近づかない方が良いのかも知れません。

コウゾ(樫原湿原)
同個体の葉裏
同個体の葉柄と若枝
ヒメコウゾ(七山池原)
同個体の葉裏
同個体の葉柄と若枝

 保育社の原色日本植物図鑑・木本編Ⅱ(1979)ではヒメコウゾは雌雄同株、葉柄は5-10mm。コウゾはヒメコウゾとカジノキの雑種で雌雄異株、葉柄は12-24mm等としてあります。ところが平凡社の日本の野生植物5(2017)ではコウゾについてカジノキに近いものは雌雄異株、ヒメコウゾに近いものは雌雄同株、葉柄は1-2cmとなっていて、雌雄同株、雌雄異株の両タイプがあるとしてあります。葉の裏の毛については荒金正憲氏が大分県の両植物について詳細に検討した論文(大分県のヒメコウゾ・コウゾ・カジノキ(6分類種):2015)がありますが、連続していてなかなかやっかいのように感じました。
 興味のある方はこれらの文献等を確認されると良いでしょう。詳細は省きますが、今回は樫原湿原のものはコウゾで良いと判断しました。一方、七山池原のものはヒメコウゾと断定するには至っていません。同地にはコウゾも混生しており、もしかしたらヒメコウゾに近いコウゾかも知れません。
 コウゾとヒメコウゾ、奥が深すぎます。

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5月11日

 コツクバネウツギ、ヒメコウゾ(仮)、コガクウツギは咲き始め。ニガナは開花中期です。
 (ヒメコウゾ:一応ヒメコウゾとしましたが、この個体には雌花がありませんでした。葉形などもう少し詳しく調査して、再度掲載します。ニガナ:これについてももう少し調査し、再度掲載します。)

コツクバネウツギ
ヒメコウゾ※
コガクウツギ
ニガナ※

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5月4日

 せっかくの大型連休ですが、後半はどうも雨模様のようです。湿原の植物たちにとっては嬉しい雨かも知れません。開花植物の種類に大きな変化はありませんが、日々、ヒツジグサの花数が多くなっています。キンランもあちこちに見られるようになってきました。サワオグルマはそろそろ終盤かも知れません。

コバノガマズミ
カヤラン
カマツカ
ホウチャクソウ
マムシグサ
キンラン

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5月1日

 いよいよゴールデンウィーク、5月の花が咲き始めました。キンランは駐車場からの路傍や中之島裏などにもみられます。ヒツジグサはまだ開花の初期で、花の大きさは小さいものばかりです。これから夏にかけて大きなものがみられるようになるでしょう。ショウブはしっかり「菖蒲湯」の時期に合わせて花をつけてくれました。ヒツジグサ、ショウブは人工湿地でみられます。

キンラン
ヒツジグサ
ショウブ

4月30日

 ポツポツ咲き始めていたサワオグルマがいよいよ最盛期に入りました。5月の連休は大丈夫でしょう。

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4月26日

 古湯温泉からあがってくる道沿いでは2週間位前からウワミズザクラの花が見られていましたが、樫原湿原ではやっと開花。意外と遅れました。一方、ミツバアケビは2週間ぐらい前から開花していましたが、未だに同じような状態で咲いています。開花期間はかなり長いようです。
 ハナイカダは区別すればコバノハナイカダのようです。雌雄異株で、雌株はかなり少ないように思います。ノアザミは咲き始めですが、誰か(蝶)が蜜を吸いに来たようで花粉が外に出てきていました。クサイチゴは果実の時期にもう一度撮影の予定です。

ウワミズザクラ
ミツバアケビ
クサイチゴ
ハナイカダ雄
ハナイカダ雌
ノアザミ

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4月22日

 開花情報の更新が随分と遅くなりました。この間、たくさんの花が咲き始めました。湿原域はやや出遅れますが、サワオグルマが咲くと本格的な開花の季節に入ります。と言っても、最初は地味なスゲ類からですが。

サワオグルマ
ザイフリボク
ニシキゴロモ
イワニガナ(ジシバリ)
ヒメハギ
アケビ
サルトリイバラ(雄花)
サルトリイバラ(雌花)
カサスゲ
ツルシキミ(雌花)
ツルシキミ(雄花)
ツルシキミ(雄花:青軸)

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4月4日

 今年のサクラ前線は2週間早く、もう東北地方でもソメイヨシノの開花が始まったとのことでした。樫原湿原ではやっとヤマザクラが開花しました。市道沿いの八重桜はまだ開いていません。開花の時期も、その仕組みと気候変動?が絡み合って、混乱気味なのでしょうか? 大変そうです。

ヤマザクラ
ミツバツチグリ
スミレ

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3月31日

 ミツガシワが咲き始めました。まだ2本ですが、これから少しずつ増えていくでしょう。
 林内にはシュンランやシハイスミレなどの花も見られるようになりましたが、まだ数はわずかです。

ミツガシワ
シュンラン
シハイスミレ
ヤマウグイスカグラ
ナガバモミジイチゴ

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3月23日

 早春の林内にほぼ同じ時期に花をつけるケクロモジとヒサカキ、なかなか甲乙つけ難い2種です。
 えっ?、どう見てもケクロモジでしょ! と言う声が即座に聞こえてきそうですが、・・・。

ケクロモジ:♀
ケクロモジ:♂
ヒサカキ:♀
ヒサカキ:♂

 淡黄緑色の透き通った色合いと、シャンデリアを思わせる細やかな花の造り。早春の林内でよく目立つケクロモジはこの時期一番の人気種です。一方で、ヒサカキの花は常緑の葉に隠れてあまり目立ちません。見た目には文句なしでケクロモジの勝ちです。が、・・林の中をゆっくりと、こころ穏やかに歩いてみて下さい。ほんのりと、なんとも言えない控え目な匂いがしてきませんか。
 ヒサカキの花の匂いです。一度気づくともう、森のあちこちで匂ってきます。満開の頃にはその匂いもかなり強くなり、森全体が包まれる感じになります。ケクロモジに比べてヒサカキは桁違いに個体数が多く、森の低木層から亜高木層にかけての優占種ですから、圧倒的な存在感になります。さすがヒサカキです。
 さて、この時期の林内の主役は誰にしましょうか?

 

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3月20

 何と言っても早春の主役はツクシショウジョウバカマ。あちこちに白い花が目に付くようになりました。咲き始めは花が2、3個の小株がほとんどでしたが、次第に花数の多い大株も花を咲かせるようになってきました。ツクシショウジョウバカマの花が咲きそろう頃になると、湿原にも花の季節がやってきます。

ツクシショウジョウバカマ
コブシ
シュンラン(花芽)

 森の一番花はコブシ。まだ葉が展開しない落葉樹の森に、一カ所だけ真っ白な花が集まって咲いています。群生することはなく、森に点在しますので、花の集まりがぽつん、ぽつんと散在します。東北地方では、この花が咲くと農作業の始まりとか。確かに、樫原でもそれが当てはまる感じです。(→今日の樫原:3月22日
 みんなが待っているシュンランですが、開花にはまだしばらくかかりそうです。名前は春蘭ですが、出遅れています。

 

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3月6日

 ため池の横にあるネコヤナギの雌株にも花が咲いていました。そして、土手のツクシショウジョウバカマも開花株がちらほら。どうやら、湿原の草花たちに開花の季節がやってきたようです。

ツクシショウジョウバカマ

 それでも、ウンゼンカンアオイの花芽はまだ堅いつぼみ状態です。春は少しずつ、一歩、一歩やってくる感じです。
 ところで、今年のスギの花芽はかなりすごい状態のようです。こちらももう少しで咲きそうな雄花ですが、その量が半端ない。山全体が赤茶色になっているところも少なくありません。まるで時限爆弾が爆発寸前。花粉症の方々にとってはとんでもない春になりそうです。

堅いつぼみのウンゼンカンアオイ
スギ雄花

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2月27日

 やっと今年の初開花です。時期は去年とほぼ同じでした。ツクシショウジョウバカマも少しずつ開花の準備が進んでいるようです。
 と言っても、路傍にはまだ残り雪があります。このまま一気に春とは行かないようです。一歩、一歩ずつと言ったところでしょうか。

ネコヤナギ開花
ツクシショウジョウバカマ
路傍の残雪

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2月20日

 今年の開花はどうも遅れそうです。中之島裏のネコヤナギはまだしばらくは開花しそうにありません。林域のツクシショウジョウバカマのつぼみもガッチリ閉じています。3月にずれ込みそうです。

中之島裏のネコヤナギ
林床のツクシショウジョウバカマ

 今年の花芽があがり始めました。開花はまだですが、開花情報のアップを開始します。今年も宜しくお願いします。