サワギキョウ

 和名は「沢桔梗」の意で湿地に生育することによりますが、他のキキョウ科植物とは花の形が随分異なり、花冠は上下に2列します(唇形:上は上唇、下は下唇)。上唇は深く2列して左右に広がり、下唇は中程まで3列します。鳥が羽を広げて飛ぶ姿に似て、 花の季節、「わあ綺麗!」と写真を撮る人も多いのですが、実は強い有毒植物で、中毒により死に至ることもあるほどです。茎を折ると白い乳液が出ますが、これにアルカロイドのロベリンという物質が含まれています。キキョウ科には有毒成分を含む植物が多いのですが、ミゾカクシ属のロベリンが最も強いとか。
 茎は直立して分岐せず、下から次々に花が咲いていきます。実生の他、地下茎でも増え、しばしば群生します。


  花期: 8~10月  高さ:50~100cm
  分布 国内:北海道~九州
     国外:朝鮮半島、中国、千島、樺太、シベリア東部など

キキョウ科 ミゾカクシ属  沢桔梗
Lobelia sessilifolia Lamb.