九州に生育するギボウシ類はオオバギボウシなど14種ほどですが、区別は難しい場合が少なくありません。その中で、明るい湿地に生育するものは本種と思ってほぼ間違いありません。地下茎を出して増え、大きな株になったものもよく見かけます。花は淡紫色、1日花で、下から上に向かって次々に咲いていきます。きれいに咲いた花の下に前日の枯れた花が残るので写真写りは悪くなりますが、一気に咲いてしまわないのは他の個体との交配確率を高めるための工夫です。そのことを知っていれば、むしろ枯れ花のついた写真の方がこの植物の性質を良く表していると評価できます。同じ時期に咲くオオバギボウシは全体に大型で、草原に生育し、花は白色です。
花期:7~8月
高さ(花茎):20~50cm
分布 国内:北海道~九州
クサスギカズラ科 ギボウシ属 小葉擬宝珠
Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram