今、湿原の林域を歩くと、一目で調査中と分かる水色のネットをかぶせたものがあちこちに見られます。近づいてみると、ネットはキンランとノヤマトンボ(オオバノトンボソウ)にかけられています。その数100個以上。昨年までも設置されていたのですが、さすがに今年は目立ちますので、来訪者から尋ねられます。「佐賀大の辻田先生の研究室がラン科植物の花につく害虫の研究をされています。」と説明しています。しばらくしてまた会うと、今度は「あっちの方に、袋のかぶせ忘れがありますよ!」と教えてくれる方もあります。「有り難うございます。じつは・・・」と野外研究の大変さや、辻田研究室の5年以上にわたる継続的な調査、いろいろな大学からの研究者の来訪など、話が長くなることもしばしば。「水色のネット」は害虫を防ぐだけでなく、来訪者に自然研究への理解や興味を抱かせる効果もあるようです。
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