ジュンサイ

 水中に伸びた茎の先につく若芽は寒天質の粘質物に包まれています。つるんとした独特の食感があり、古くから三杯酢や吸い物として食用にされてきました。日本料理では初夏の定番食材ですが、若い人達は名前すら知らないことが多く、世代の差を感じる植物です。粘質物は葉裏だけでなく、葉柄や茎にもついています。葉は楕円形で、水面に浮き、裏面中央に葉柄がついています(盾状)。花は午前中に開き、午後はしぼみます。 
 水質の安定した古い池に生育し全国に見られますが、生育地の消失や水質の悪化などで急激に減少しています。特に除草剤には敏感で、わずかでも入れば池全域の個体が枯死することがよくあります。
 樫原湿原では湿地Ⅰ、湿地Ⅱ、人工湿地の水域に広く見られます。


  花期:5~8月
  分布 国内:北海道~九州
       国外:全世界

ジュンサイ科(ハゴロモモ科) ジュンサイ属  蓴菜
Brasenia schreberi J.F.Gmel.

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