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今日の樫原

若者がやってきた。

 先週の日曜日、4人の若者がやってきました。若者がグループで来ることは珍しいことではないのですが、あちこち、2時間以上観て回っていました。単なる通りすがりや軽い自然観察のレベルではないようです。近づいて話をしてみました。福岡の大学生(農学部)で生物系サークルの「植物班」とのこと。一人の手には厚めの図鑑がありました。なるほど、それで熱心だったのかと合点がいきました。真面目そうな4人グループ、頑張って下さい。
 ところで手元の図鑑。簡単そうで使いやすそうに見えますが、これが使えないんですよね。「全国版」ですので地元にないものが多数はいっていて分かりづらい思いをした方が多いと思います。せめて「九州版」が欲しいところです。ところが、「九州版」も出てはいるのですが、これが希少種中心が多い。著者が自分の好みで、珍しいもの、綺麗なものに走って、使い手の悩みに寄り添っていない傾向が大。で、みんな、「わからんなあ~」となってしまう。解決策は、地元の同好会や当該地域の植物に詳しい方に尋ねるのが一番です。樫原湿原の場合、詳しそうな人がうろうろしています。手当たり次第に尋ねて下さい。

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自撮り棒でハッチョウねらい・・

自撮り棒の先にはスマホ
ハッチョウトンボ♂

 ハッチョウトンボの雄は既に成熟して真っ赤。木道から1m程の草の上にとまっています。どうにかこれを撮ろうと、自撮り棒の先にスマホを取り付けて撮影に挑戦する強者が現れました。さすがになかなかうまく行きません。しばらく格闘して、何とか撮影できたようですが、ピントが合ったかお聞きしませんでした。対岸からこれを見ながら心配していると、横におられた方が、「スマホと腕時計(アップルウォッチ?)をブルートゥースで繋げば、腕時計の画面で確認できますよ」とご自分の腕時計とスマホで実演してくれました。へぇ~!と驚き、あきれてしまいました。世の中、どんどん進んでいますね。ついて行けるか心配です。
 それにしても、今日はどうにか撮ってやろうとしっかり自撮り棒を準備してこられたのだろうと思います。スマホを持って、湿原の中に入ろうとする方が少なくない中で、こんな工夫と努力をされる方、えらい!アッパレ! こんな人ばかりだと安心ですが・・・
 7月頃になって個体数が増えてくると、木道のすぐ横にとまってくれるハッチョウトンボも出てきます。そのころ又来てみるのもいいのでは・・・

 

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イノシシの繁殖巣

イノシシの掘り起こし被害
繁殖巣

 今日、草刈を進めていた土手の途中で、こんもり盛り上がった刈草の塊を見つけました。てっきりイノシシの寝床と思い込んだのですが、後で地元の人に話したら、「それは子育て用の巣」(繁殖巣)とのこと。そういえば、全体が30cm程盛り上がったドーム状でした。何となく中に何かが入っていそうで、刈払機で積もった草をはねのけていると、中に通路のような空間がありました。この時点でまだそれがなんなのか分からず、全部壊して、周辺のヨシも刈り取ってしまいました。大失敗。わかっていれば、写真を撮りながら壊して、全体構造を記録できたのですが、後の祭りです。それでも、最初に撮った写真では手前に出入り口が写っていました。これでも貴重な写真。今度見つけたら、しっかり記録しようと思っています。一つだけ確認したことがあります。周辺はヨシが密生する状態だったのに巣の材料はほとんどカサスゲの葉ばかりでした。うり坊が動きやすい材料を使っているのだと思います。
 湿地Ⅴの土手はイノシシの掘り起こしでとんでもない状態になっていました。それでもめげずに、草刈を行いました。高くなりすぎた草丈を低くするにはこの時期の草刈が必須です。毎年、2~3回、繰り返し行っていますので少しずつ草丈は低くなっています。でも、イノシシの掘り起こし被害があると草刈がしづらく、作業が大変です。草刈りできない部分も出てきます。また、こういう所を狙ってセイタカアワダチソウが入ってきます。掘り起こし被害がなければ3~4年前にはシバ地状の土手になっていたはずですが、被害は繰り返され、なかなか思うような植生状態に誘導できない状況が続いています。

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作業道のトキソウ、桑原老人会

作業道のトキソウ
桑原老人会

 湿地Ⅰ内に設置した作業道は、出来るだけ環境負荷を押さえるため、金属網をかぶせたのですが、もくろみ通り、下からトキソウの花が顔を出しました。両脇の垂木の下には横に枕木を置いていますので、この下を水が流れていきます。現在、周辺のマコモ抜きを行っていますが、この搬出作業も作業道を使うことで飛躍的に楽になりました。今のところ、何もかもバッチリ状態です。取りあえず、良かった、良かった。
 昨年夏は来訪者が異常に多く、観察マナーの指導が必要ではとの意見がありました。これを受けて、県は桑原集落に夏期の監視業務を委託しました。さっそく、6月1日から桑原集落の老人会が交代で駐在を始められました。湿原広場にある守る会のプレハブはじつは桑原集落が会に無償で貸しているものですので、老人会駐在期間はプレハブを使用するということで、初日はその使用法の講習があっていました。老人会と言っても皆さん70代で、農作業等はバリバリの現役、戦力ですので、湿原駐在は何かと差し障りが多いことかと思いますが、協力してやっていこうとことのようです。子どもの頃は湿原まであがってきて池で筏遊びなどした経験をお持ちの方々ばかりですので、「どうにかせんといかん!」という気持ちが強いようです。どうぞ宜しくお願いします。