7月2日から3日にかけての大雨はとんでもない量だったようです。高速道路が通行止めで、樫原に上がるのは止めにしたところ、月曜の4人衆はいつものように現地へ行ったようです。そして、とんでもない洪水状態に驚愕! 「こんなのは初めて!見たことない」となったようです。湿地Ⅰの水域はいつもは全体の3割程度ですが、全域が湖状態。湿地Ⅱへの排水吐き口にはものすごい量の水が流れ込んでいます。中之島裏の通路は20cm以上冠水していて、そこをコイが泳いでいたそうです。
いや~、とんでもない。下のため池は大丈夫でしょうか。堤がだいぶ痛んでいたので気になります。湿地Ⅴの水路は土手をイノシシが掘り返して崩れかかっていたのですが、あれは大丈夫かな? 湿地Ⅰ上部域の林道や林内作業道はどうなっているのか、考えるだけで恐ろしくなります。ともあれ、6日に全域確認の予定です。
(現地情報と写真は月曜4人衆の鬼塚氏提供です。)
先週の日曜日、4人の若者がやってきました。若者がグループで来ることは珍しいことではないのですが、あちこち、2時間以上観て回っていました。単なる通りすがりや軽い自然観察のレベルではないようです。近づいて話をしてみました。福岡の大学生(農学部)で生物系サークルの「植物班」とのこと。一人の手には厚めの図鑑がありました。なるほど、それで熱心だったのかと合点がいきました。真面目そうな4人グループ、頑張って下さい。
ところで手元の図鑑。簡単そうで使いやすそうに見えますが、これが使えないんですよね。「全国版」ですので地元にないものが多数はいっていて分かりづらい思いをした方が多いと思います。せめて「九州版」が欲しいところです。ところが、「九州版」も出てはいるのですが、これが希少種中心が多い。著者が自分の好みで、珍しいもの、綺麗なものに走って、使い手の悩みに寄り添っていない傾向が大。で、みんな、「わからんなあ~」となってしまう。解決策は、地元の同好会や当該地域の植物に詳しい方に尋ねるのが一番です。樫原湿原の場合、詳しそうな人がうろうろしています。手当たり次第に尋ねて下さい。
自撮り棒でハッチョウねらい・・
ハッチョウトンボの雄は既に成熟して真っ赤。木道から1m程の草の上にとまっています。どうにかこれを撮ろうと、自撮り棒の先にスマホを取り付けて撮影に挑戦する強者が現れました。さすがになかなかうまく行きません。しばらく格闘して、何とか撮影できたようですが、ピントが合ったかお聞きしませんでした。対岸からこれを見ながら心配していると、横におられた方が、「スマホと腕時計(アップルウォッチ?)をブルートゥースで繋げば、腕時計の画面で確認できますよ」とご自分の腕時計とスマホで実演してくれました。へぇ~!と驚き、あきれてしまいました。世の中、どんどん進んでいますね。ついて行けるか心配です。
それにしても、今日はどうにか撮ってやろうとしっかり自撮り棒を準備してこられたのだろうと思います。スマホを持って、湿原の中に入ろうとする方が少なくない中で、こんな工夫と努力をされる方、えらい!アッパレ! こんな人ばかりだと安心ですが・・・
7月頃になって個体数が増えてくると、木道のすぐ横にとまってくれるハッチョウトンボも出てきます。そのころ又来てみるのもいいのでは・・・
今日、草刈を進めていた土手の途中で、こんもり盛り上がった刈草の塊を見つけました。てっきりイノシシの寝床と思い込んだのですが、後で地元の人に話したら、「それは子育て用の巣」(繁殖巣)とのこと。そういえば、全体が30cm程盛り上がったドーム状でした。何となく中に何かが入っていそうで、刈払機で積もった草をはねのけていると、中に通路のような空間がありました。この時点でまだそれがなんなのか分からず、全部壊して、周辺のヨシも刈り取ってしまいました。大失敗。わかっていれば、写真を撮りながら壊して、全体構造を記録できたのですが、後の祭りです。それでも、最初に撮った写真では手前に出入り口が写っていました。これでも貴重な写真。今度見つけたら、しっかり記録しようと思っています。一つだけ確認したことがあります。周辺はヨシが密生する状態だったのに巣の材料はほとんどカサスゲの葉ばかりでした。うり坊が動きやすい材料を使っているのだと思います。
湿地Ⅴの土手はイノシシの掘り起こしでとんでもない状態になっていました。それでもめげずに、草刈を行いました。高くなりすぎた草丈を低くするにはこの時期の草刈が必須です。毎年、2~3回、繰り返し行っていますので少しずつ草丈は低くなっています。でも、イノシシの掘り起こし被害があると草刈がしづらく、作業が大変です。草刈りできない部分も出てきます。また、こういう所を狙ってセイタカアワダチソウが入ってきます。掘り起こし被害がなければ3~4年前にはシバ地状の土手になっていたはずですが、被害は繰り返され、なかなか思うような植生状態に誘導できない状況が続いています。