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今日の樫原

小雨の湿原

 「曇り」との天気予報がはずれて、10時頃から雨になってしまいました。そこここからニホンアマガエルの鳴き声が聞こえてきますが姿が見えません。そっと鳴き声の方に近づくと、ピタッと止んでしまいます。そして、遠くでまた鳴き始めます。どうやら、探しているこちらの姿は完全に見つかっているようです。双眼鏡があった方が良かったのかも知れません。
 2月27日の野焼きで真っ黒になっていた湿原は、少しずつ緑に変わり始めました。久しぶりの雨で木々の芽吹きもすすみ、一気に新緑の季節に入っていきそうな気配です。ヤマザクラの花はそのスタートの合図だったのかも知れません。雨の中で、薄い桃色の花びらが散り始めていました。          (4月11日)

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今日の樫原:オタマジャクシ、霜害

 ヒキガエルのオタマジャクシが集団遊泳を始めました。池の中を巨大なヘビのようにうねりながら移動し、時々団子状の塊になります。
 この頃になるとオタマジャクシを狙ってアカハライモリが出てくるのですが、今年はまだのようです。

シュンラン
オオタチヤナギ

 ミツガシワの花が遅霜でやられてしまうのはいつものことですが、今日はシュンランの花もオオタチヤナギの花穂もぐんにゃりと煮えたようになっていました。これまでミツガシワの被害に気を取られて気づかずにいたのですが、落ち着いて考えれば当たり前のこと。畑の野菜も同じようにやられるし、これが普通の春の出来事なんだ。自然はすごいことをするなあ。

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今日の樫原:野焼きと霜

 3月14日の開花情報で、野焼きの火にやられたツクシショウジョウバカマの必死の開花をお伝えしましたが、安心してください、新しい葉がちゃんと出始めました。生育環境にしっかり対応出来ているようです。彼らにとっては野焼きは毎年のこと。その経験を数百年繰り返しているわけで、私たちの心配など余計なお世話ですね。 ただ、あまりに早く咲いた花はうまく受粉が出来なかったようです。

 数日前に咲き始めたと思われるミツガシワの花が昨日の遅霜でやられていました。もしかしたらと思って来たのですが、悪い予想通り。北方系の植物なのに遅霜があるといつもやられます。”そんなんで北の大地で生きていけるの?”と思ってしまいますが、「雪の布団」がない樫原は、彼らにとっては想定外の場所なのかも知れません。(樫原湿原~久住地域が生育の南限線)

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今日の樫原:水田の名残

 野焼きの後のこの時期、湿原を注意深く眺めると、以前、ここで稲作が行われていたことを知る手がかりを見つけることが出来ます。写真は湿地Ⅶですが、左下から右上方向に植物の生え方が少し違う帯状の部分があります。水田の畦の跡です。この部分は両横よりも土が硬く、植物の種類や生育状態が違うのです。昭和中期から50年以上経っても以前の利用状況の形跡が残っているのに驚いてしまいます。このような形跡は湿地Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴでも見られ、樫原湿原の広い範囲で稲作が行われていたことを教えてくれます。

 今日も4人衆は車止めリメイクの作業継続です。先週と違うことは新たな近代兵器が投入されたこと。これで作業は格段に早くなったようです。今日で全ての車止めがリメイクされました。あと5年は大丈夫でしょう。お疲れ様でした。
 湿原を一周して、最後に車止めに腰掛けて一休みといった来訪者をよく見かけますが、いきさつを知っていると、「じつは・・・」と一言説明したくなります。