5月中旬から見られたハッチョウトンボですが、8月になり個体数がぐっと減って、8月12日には遂に確認できなくなりました。最後のビューポイントの湿地Ⅱ下部域で随分探しましたが見つかりませんでした。どうやら、今年はこれで終わりのようです。長い期間、みんなを楽しませてくれて有り難う。来年の5月にまた会えることを楽しみにしています。
(実は、今年は例年に比べて個体数が随分少なく感じました。昨年7月の豪雨の影響がかなりあったかなと思います。他方で、他のトンボ類も全体に少なかったのですが、聞くところによると、九州全域で少なかったとか。「地球温暖化のせい?」などと、みんなで原因が気になっています。)
開き始めたユウスゲの花びらを食べるキリギリス。夕暮れが近づく湿原のレストランで、なかなか優雅なディナーだなと、そのセンスに感心したのですが、少し離れた場所では、サワギキョウを注文した客がいました。 えっ!?
サワギキョウには有毒のロベリンが含まれ、多量に食べれば嘔吐、下痢で大変なことになると思うのですが。ビックリして眺めていると、体の半分量くらいを食べ尽くして、花穂のてっぺん近くで一休み。すました顔で、食後のコーヒーが出てくるのを待っている風です。へえ~、サワギキョウの、しかも大盛りを注文する(食べる)客がいるんだ! と、ちょっとビックリ。 もしかしたら美味しいのかな?
1週間ほど前に、コバギボウシの花茎に白い綿毛をまとった謎の生物がたくさんついていました。その後、羽根が透き通った昆虫がたくさん現れました。後で分かったのですが、これらは スケバハゴロモという昆虫の before and after でした。それにしても大変身! おじさん達が「へえ~!」と感心して子どものようにのぞき込んでいました。(赤い髪の人は別です。おじさんに含まれません。) カメムシの仲間で、蝉などに比較的近い昆虫だとか。そう言えば何となく蝉に似ているような。 それより、こんな形のステルス飛行機がありますよね。生き物の世界は多様で奥が深い! いろいろ考えるより彼らをまねした方がゴールが早いとつくづく思います。
湿原の保全には周辺環境の維持管理も必須です。とりわけ湿地縁の樹木の成長は、湿原の被陰や落ち葉の堆積等により湿生植物の生育を阻害します。また、枯木は湿原内への倒伏や安全管理上の危険があります。そのため、これらの支障木は優先度の高いものから順次除伐管理を行っています。昨日は月曜4人衆も協力していただき、枯松とクロキの高木を伐採しました。作業は多くの場合、伐採木の処理の方が大変です。取りあえず玉切り処理して湿地縁まで搬出しましたが、皆さん汗びっしょり。お世話になりました。有り難うございます。