枯木の伐採では、稀に思わぬ収穫があります。先日伐採した枯松の玉切り処理中、チェーンソーの刃を当てようとした瞬間、樹皮上の紐状物に思わず手が止まりました。「えっ、クモラン?」 しっかり確認すると、やっぱりクモランです。しかも、どうも花芽?も付いています。以前、コナラに付いていたものを見つけて以来、2度目です。どうやら、点々とありそうです。この日はカヤランの株にも花芽を見つけました。
一般に、クモランの移植は無理とされていますので、玉切りした幹につけたまま静観するしかないと諦めていました。ところが、佐大の辻田先生から、「共生菌はカヤランと同じなので移植はうまく行くかも知れません。やってみましょうか」とのメールをいただきました。またまた「えっ!」でした。辻田研にはたくさんのカヤランの移植をしていただき、うまく行っていますので大いに期待できます。来春が楽しみです。
ちなみに、築地書館「菌根の世界」(斎藤雅典編著、2020)の第4章:菌によりそうランの姿を追いかけて、第5章:菌根共生の原点-コケ植物とシダ植物の菌根共生は辻田先生が執筆されています。ぜひ一読をお薦めします。
菌根の世界
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森の妖精がやって来ました!
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守る会は今期店じまい
12月16日、「樫原湿原を守る会」の今期最後の活動日。今日は伐採した枯松の片付け、湿地Ⅱの追加浚渫作業でした。どちらも多くの人手が必要な作業で大変助かりました。2024年中は大変お世話になりました。来年の活動は1月20日開始とのこと、新しい年もどうぞ宜しくお願いします。
守る会メンバーの古賀幸憲さん(享年84歳)が12月7日に急逝されました。先月までお元気に活動されていました。最後まで大好きな樫原湿原の保全活動に尽力されました。有り難うございました。ご冥福をお祈りいたします。(これからも、月曜日の朝は、湿原を吹く風に乗って毎週活動に来られることと思います。)
湿原は完全に「草枯れ」の風景になってしまいました。今朝(11日)は少し冷え込み、湖岸の板の上に薄い氷が張っていました。それでも随分暖かい12月です。
湿原の維持管理は冬季はほぼ林内整備になります。本当は「里山管理」をしたいのですが、今日も枯れマツ伐採でした。安全管理が一番です。
高木の伐採では、本来は伐倒方向の支障木は事前に切っておくのが定石ですが、出来るだけ残す方向で、特別の理由がない限りそのままです。その為、伐倒後の処理が面倒になります。今日は先端部がヤマザクラ(高さ6m程)に引っかかり、ややかかり木状態になりましたが、枯れマツの枝を少しずつ切って、なんとかヤマザクラを切らずに済みました。来春、元気に花を咲かせて欲しいものです。