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今日の樫原

大災害に言葉がありません。

 災害発生から5日、やっと湿原の確認に上がってこれました。予想通り、いろいろと被害が見られました。受け入れるしかありません。ただ、湿地Ⅰへの大量の土砂流入には参りました。最も重要な貧栄養低茎群落生育域が広い範囲で埋まってしまいました。しかも、林内の崩壊地は、今後、少ない雨でも再び崩壊がおこる状況です。とにかく、明日から、土砂流入を止める作業をやるしかありません。

湿地Ⅰ奥
土砂流入を起こした斜面崩壊
湿地への流入状況
湿地Ⅰ中央部への流入土砂
木道は流されました。
かろうじて残った丸太橋

 惨状に、集落の方々にかける言葉が見つかりませんでした。湿原周辺、湿原から桑原集落へ下りていく道路沿いの至る所で大規模な斜面の崩壊が起きていました。土砂は道路を塞ぎ、水田に流れ込み、水路を埋め尽くし、あふれた水はハウスの中に流れ込んでいました。これまでも大雨や台風でひどい被害を受けることは少なくありませんでした。でも、そのたびに集落の人々は、手持ちの重機で驚くような速さで災害からの復旧を済ませていました。その機動力は他所では見ることが出来ない桑原集落独特の特異な能力でした。しかし、今回は災害発生から5日経っても手つかずの現場が各所にあります。現状は想像も出来ないくらいに厳しい状況です。さらに、これから先、どれだけの苦労が待ち受けているのか。ただただ唖然としました。集落そのものも甚大な被害を受けておられます。心からお見舞い申し上げます。

駐車場下の崩壊
復旧手つかずの林道
湿原横の農道
桑原集落近くの崩壊
桑原集落近くの崩壊
畦が崩落した水田
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今日の樫原

いつもの樫原湿原でした。

 心配して上がってきた樫原湿原でしたが、いつもの穏やかなたたずまい。ため池のほとりのアジサイが綺麗でした。
 湿地Ⅰはまだ水位はやや高めでしたが、概ね被害なし(所々に流水の跡はありますが)、排水用の吐き口もいつもの水の流れでした。カワセミもハッチョウトンボも何事もなかったかのように飛び回っていました。やれやれ、一安心でした。

 と言っても、やはり豪雨の爪痕は各所にありました。湿地Ⅴに渡る手前の木道は「くの字」に折れています。もとはまっすぐで、中央の杭で流れないように止めていたのですが、それを超えて下流側に折れています。一旦浮いて、杭を超えて落ち着いたようです。湿地Ⅴ横の水路にかかっている丸太橋は上流からのゴミが詰まって流される寸前。オーバーフローして橋は助かったようです。その横のカサスゲにはオーバーした水のゴミが引っかかっています。先の水路の水面と50cm程の高さの差があります。ため池の堤に溜まったゴミは通常の満水線より40cm程上にありました。ため池や水路の水位はいつもより40~60cm程高かったようです。よく堤が壊れなかったなと不思議なくらいです。こんなことが繰り返されると、いつかとんでもないことになるようで、ちょっと不安です。何も起こらないことを祈るばかりです。弁財天様、どうぞ宜しくお願いします。

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とんでもない豪雨

湿地Ⅰ
湿地Ⅰ 排水吐き口

 7月2日から3日にかけての大雨はとんでもない量だったようです。高速道路が通行止めで、樫原に上がるのは止めにしたところ、月曜の4人衆はいつものように現地へ行ったようです。そして、とんでもない洪水状態に驚愕! 「こんなのは初めて!見たことない」となったようです。湿地Ⅰの水域はいつもは全体の3割程度ですが、全域が湖状態。湿地Ⅱへの排水吐き口にはものすごい量の水が流れ込んでいます。中之島裏の通路は20cm以上冠水していて、そこをコイが泳いでいたそうです。
 いや~、とんでもない。下のため池は大丈夫でしょうか。堤がだいぶ痛んでいたので気になります。湿地Ⅴの水路は土手をイノシシが掘り返して崩れかかっていたのですが、あれは大丈夫かな? 湿地Ⅰ上部域の林道や林内作業道はどうなっているのか、考えるだけで恐ろしくなります。ともあれ、6日に全域確認の予定です。
(現地情報と写真は月曜4人衆の鬼塚氏提供です。)

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若者がやってきた。

 先週の日曜日、4人の若者がやってきました。若者がグループで来ることは珍しいことではないのですが、あちこち、2時間以上観て回っていました。単なる通りすがりや軽い自然観察のレベルではないようです。近づいて話をしてみました。福岡の大学生(農学部)で生物系サークルの「植物班」とのこと。一人の手には厚めの図鑑がありました。なるほど、それで熱心だったのかと合点がいきました。真面目そうな4人グループ、頑張って下さい。
 ところで手元の図鑑。簡単そうで使いやすそうに見えますが、これが使えないんですよね。「全国版」ですので地元にないものが多数はいっていて分かりづらい思いをした方が多いと思います。せめて「九州版」が欲しいところです。ところが、「九州版」も出てはいるのですが、これが希少種中心が多い。著者が自分の好みで、珍しいもの、綺麗なものに走って、使い手の悩みに寄り添っていない傾向が大。で、みんな、「わからんなあ~」となってしまう。解決策は、地元の同好会や当該地域の植物に詳しい方に尋ねるのが一番です。樫原湿原の場合、詳しそうな人がうろうろしています。手当たり次第に尋ねて下さい。