7月31日、イヌウメモドキの幹の上をうろついていたジャコウアゲハの幼虫は、もう好物のオオバウマノスズクサを食べるのは止めたようです。と言うより、ツルに付いていた葉はほとんど食べ尽くしていました。
8月3日、イヌウメモドキの細い枝にとまって、蛹になる態勢が整った様子。足のある胸部は黒い糸で枝に固定されています。
8月6日、何と、既に蛹になっていました。毎日観察していた麻生さんによると「もう4日には蛹になったよ。あっという間だった。」とか。へぇ~、1日で蛹の形に激変するんだ、すごいな!
成虫の羽根になりそうな部分は分かりますが、あとはどこがどう変化するのか、羽化の変化も「激変」なのでしょう。
何事もなかったようなため池の堤と湖守屋さん。どうやら越水があったようで、湖守屋さんは一部で床下浸水?、水路横の法面は崩壊して建物の横にあった小さな物置は水路側に倒れているようです。みなさん、いろいろと思わぬところで被災され、まだ気づかずにいるところもあるのではないかと思います。(湖守屋さんには7月末に確認の方が来られていたようでした。)どこまで被害が広がるのか、みなさん大変です。
この巨大芋虫は誰ですか?
今日の湿原は、咲きそろい始めたサギソウ群落や蜘蛛の巣にかかったハッチョウトンボなど見所満載(?)で、来訪者もいつになくテンションが上がっていました。そんな中、普通だったら思わずのけぞってしまいそうな巨大芋虫が出現。どちらも大きさ(長さ)10~15cmで、息が止まりそうなくらいの鳥肌ものなのですが、これも皆さん、じっくり観察。よく見ると、どちらも実に個性的で美しい。先入観なしで付き合うのが大切なのかも知れません。「すごいね!」ということになったのですが、誰も名前が分からない。「何だろう?、何だろう?」となって、携帯でグーグル検察などもトライされたのですが結局わからないままで終わりました。
ところが、なんと、終わりではありませんでした。皆さん家に帰ってからあの手この手で検索されたようで、夜になってから検索結果メールや連絡が次々に届きました。中学3年の男の子は、グーグル検索からさらに探索が進んだようで、オオミズアオの周辺情報もいろいろと確認したようです。こんな子が未来の日本、地球を救う生物学者になるのかも知れません。皆さん、本当に有り難うございました。
初めての方もぜひ先入観なしで、画面をもう一度タップしてみて下さい。オオミズアオのとげとげの先にはたくさんのアンテナのような毛が付いています。モモスズメの表面はなんだかカメレオンの皮膚のようです。いつか誰かが、こんな昆虫たちの形態をヒントに新しい科学技術を開発させるのかも知れません。
湿地Ⅰ奥部は50%程度の範囲に土砂の流入がありました。H17年度再生事業域の調査区①は、再生事業前はイヌツゲ低木林状態でしたが、再生事業とその後の維持管理でチゴザサ-マアザミ型群落が生育するようになっていました。今回の豪雨で、右写真の状態になりました。優占種のマアザミはほとんど砂に埋まり、コイヌノハナヒゲ、シカクイなど葉の細い植物が主要な生育種になっています。ミミカキグサ類やアリノトウグサ等の小型種はしばらくは復活しないでしょう。砂の除去はせず、しばらくこの状態で植生変化をモニタリングする予定です。
湿地上部に接する林内には15~20cm程度の厚さに土砂が堆積しています。今も滲出水で少しずつ湿地内に流れ込みがありますが、少なくとも、今後の雨での大量流入を止めるため、土砂の除去作業をやっています。24日は月曜4人衆も参加しての作業となりました。イノシシ防止のためのワイヤーメッシュは2カ所で押し流され、土石の下に埋まってしまっています。これも使える範囲で立て直していますが、石の下などに埋まったものは切断して残置。後日、新しいワイヤーメッシュを設置予定です。とにかく急に暑くなりました。熱射病にだけはならないよう、注意して作業をやっています。
開花情報:7月24日
サギソウ、カワラナデシコ、シロバナカワラナデシコ、ムラサキミミカキグサ、ミミカキグサ、コバギボウシ、ユウスゲ、コオニユリ、リョウブ