とうとう、池の水が全部凍りました。湿地Ⅰの止まり木にちょっとだけカワセミがいましたが、午前中はダイビングは無理だと判断したのでしょう、すぐにどこかへ飛んでいきました。下の溜め池の方は工事に向けて水抜き中で、水の動きが大きいのか、氷は見当たりませんでした。
それにしても、いよいよ本格的な冬に突入という感じです。トマト農家の方々も収穫はほぼ終わり、片付け作業をされています。以前は冬期にはハウスのビニールは剥がし、積もった雪を土壌にしみこませて塩類調整に当てていたようですが、最近は剥がすのは見かけなくなりました。それでも同じハウスで10年以上もトマトの連作を続けられるのがプロの証だとか。土作りに秘密の技があるのでしょう。
これから3月にかけての時期は保全作業は林内整備が中心です。昭和中期頃の里山の姿を目指して林内の除伐作業が続きます。
アカマツの主幹は玉切りの玉切り
大きすぎ、重すぎの玉切り丸太は、さらに玉切りして、なんとか持ち出せる大きさに処理することが出来ました。しばらく乾かしてから持ち出そうと言うことになったのですが、並べてみると腰掛けるのに良い感じ。庭に置いてコーヒーやお菓子をのせるのもありだよ・・と、だんだんもったいない気がしてきました。何かいい使い道は有りませんかねぇ。(必要な方、問合せ欄でご連絡ください。)
さて、月曜4人衆との作業は、無謀にも縦割りにも挑戦。切り口の中央部をチェーンソーで縦に半分ほどにまで切って、そこにくさびを打ち込めば、「パカッ」と2つに割れるだろうと、みんなそう思って掛矢(かけや)でたたきました。ところが、くさびは切り口から一瞬沈んで、次の瞬間、1m程飛び上がって抜けてしまいました。 えっ、マジですか?!。 再挑戦しても同じ。誰がやっても同じ。どうやら、生木で粘り気があり、打ち込んだ力が跳ね返しの力に変換されて飛び抜けるようでした。恐るべし、マツの生木!。結局、チェーンソーでさらに切り下げて、何とか2つに割りましたが、70前後のおじさん(おじいさん?)達には目から鱗の珍体験でした。
中之島通行止めは解除しました!
10月10日以来、中之島周回コースは通行止めでした。アカマツの高さ15m程の所に引っかかった枯れ枝が落ちそうで、落ちない。長さ5m程、枝の直径は約10cm、もし誰かに当たったら大惨事になります。どうにもならないので「通行止め」としていました。11月26日に桑原集落の方々が湿原の木柵等の整備に来られましたので、組長さんに事情を話したところ、即答、「切りましょう。」でした。トマト農家の諸隈さんはチェーンソーワークはほぼプロ級、木柵の杭と杭の間にドンピシャリ仕留めました。「すごい!」の一言、笑うしかありませんでした。有り難うございました。この後、直径60cm程の主幹を10個ほどに玉切りにしてくれましたが、大きすぎ、重すぎ。どうやって動かそうかと思案中です。
ボランティア作業:落ち葉かき
11月26日、日清紡マイクロデバイスAT(昨年まで佐賀エレクトロニックス)の方々による落ち葉かきボランティア作業が行われました。今年で6年目。今年は80名程の参加がありました。以前は通常の維持管理作業として実施していましたが10日以上かかっていましたので大変助かっています。湿原の維持管理作業は湿原の中だけと思われがちですが、周辺環境の管理も大変重要です。湿原の保全では、栄養状態を貧栄養にすることがポイントですが、それには周辺からの栄養分の流入を押さえることが重要です。昭和中期頃までは湿原周辺では草刈、柴刈りが広く行われ、そのことが湿原の貧栄養状態維持につながっていました。しかし、昭和中期以降はエネルギー革命による農業形態・生活形態の変化で湿原周辺環境は放置され、森林化してきました。平成17年(2004年)以降の自然再生と維持管理作業では、可能な限り当時(昭和中期まで)の状態に近づけることを目標に、保全の取り組みが継続されています。その中で森林管理は除伐による落葉樹林化と落ち葉かきを2本柱としていますが、その片方(落ち葉かき)を日清紡マイクロデバイスATの方々がやってくれていることになります。感謝、感謝です。たくさんの子ども達も参加してくれました。彼らが大人になったとき、湿原がより良好な状態で保全されているよう、これからもみんなで頑張っていきたいものです。(芝刈りは柴刈りの誤記でした。:12月29日訂正)