ノダケの花は、まだまだたくさん咲いています。キアゲハの幼虫も随分若い個体もいますが、もう蛹になりそうなものもいます。とにかくどんどん食べて大きくならなきゃ、という時期。ところで、2枚目の写真の2匹、やっと登ってきた花茎の先には何もありません。先客が食べ尽くしていたようです。残念! 後から登ってきた後輩が「えっ! もうない。 どうしますか? 先輩。」とでも言ってるような雰囲気でした。 多分、2匹とも引き返し、一旦地面に下りて他のノダケの茎に登って花を探すと思います。この時期、茎の先にはほとんど花がありますので、地際の登り口で花の有無を知る必要はないでしょう。ただ、今回のように、先客が食べ尽くしていると、苦労して登っても無駄足。虫の世界もなかなか大変です。
湿原の花が少なくなる頃、待ちわびたようにノダケの花が咲き始めます。そして、この花の蜜を求めて様々な昆虫たちが訪れます。その中に、ひらひらと舞うキアゲハもいるのですが、彼らの目的は蜜ではなく、花そのものです。 何? じつは、ノダケに産み付けられたキアゲハの幼虫は蜜ではなく、花全体を食べて大きくなります。花を丹念に覗くと、小さな幼虫が1~2匹ついていることがよくあります。何日かして同じ花を見に行くと、幼虫はすっかり大きくなり、一方で花はあちこちを食べられています。写真の幼虫の右側にある花はほとんど食べ尽くされています。幼虫は花がなくなると別の花を食べに移動します。この幼虫の先にある花も数日後には食べ尽くされるのでしょう。(※昨日のアップ、間違って「カラスアゲハ」としていました。えっ?と思った方、たくさんいたかも知れません。失礼しました。かなでさん、ありがとう。)
あなたにとって ノダケ とは?
この時期、ノダケの花にスズメバチの仲間が頻繁にやって来ます。花から出される蜜を吸うのが目的です。彼らは舌の部分が短いので、蜜が花序の表面にしみ出すノダケはこの時期の貴重な餌場なのでしょう。 オオシオカラトンボは普段は木道の板の上や木柵のワイヤーの上によく留まります。特にワイヤーの上の個体はそばまで近づきやすく、写真を撮るにはもってこいです。ところが今日はノダケの先端部に留まっていました。こんな留まり方、あまり見かけません。たまたまそこに留まりたい気分だったのでしょうか、ポーズとしてはOKですね。 しばらくノダケを気にかけてのぞいていたら、ナガコガネグモが変な格好で張り付いていました。こんな所で何がしたいのでしょうか? いえ、どうしょうかと考えている最中ですかね。ちょっと意味が分かりません。蜘蛛の巣は見られません。ノダケにやって来る虫を素手で捕まえようとでもしているのでしょうか?
秋の始まりとともにノダケの花が目立ち始めます。花はたくさんの蜜を出しますので、いろんな虫たちがやって来ます。立ち止まって、ゆっくり観察してはどうでしょうか。(訂正:ノダケの蜘蛛をジョロウグモとしていたら、長崎の蘭堂さんから「ナガコガネグモ」とのご教示をいただきました。。有り難うございます。)