佐賀大辻田研究室の皆さんですが、頭を付き合わせ、何やら熱心に観察中。今日はいつもの継続調査とは別に、新たな植物の調査が加わったようです。新規調査の場合、佐賀県にも新規の許可願いの提出が必要ですが、今回はすぐに許可が下りたとか。これまでの実績と信用の積み重ねの結果でしょう。日頃の行いが大切ですね。それにしても追加種は既に花茎が枯れ始めていて、もう少し遅れていたら個体確認が難しくなりそうな状態でした。ぎりぎりセーフ。調査手続きが速やかだったお陰。タイミングを逃すと翌年まで待たなければならないこともあり、野外調査はいろんな意味で大変そうです。
森の中を歩いていて、いかにも毒々しい赤い色をしたキノコを見つけました。”こりゃヤバイ、絶対ヤバイな。触るまい。”と、恐る恐る撮影しましたが、キノコ好きの人に言わせると「わ~きれい!、赤ワインみたい!」となるらしい。食毒不明とのこと、誰かが食べるまで、手を出すのは止めた方が良さそうです。
一方、ニセアシベニイグチはチーズのような匂いがする第一級の食用キノコとか。でもやっぱり、誰かが食べるのを見届けてからでないと不安だな~。
サギソウが咲き始めました
「サギソウが咲き始めました」と紹介しても、もう良いでしょう。湿原のあちこちに白い花が目に付くようになりました。わざわざ説明しなくても、多くの人が気づいてくれます。やっと「湿原の夏」が来た感じです。
でも現地は焼けるような暑さ。熱中症に気をつけながらの観察になっています。
今年は遅れています。
いつもの年だとサギソウがこのあたりに点々と咲いている時期なのですが、今年はまだ「ちらほら」より少ない感じ。せっかく遠くから来られたのに、残念! (久留米からグループで来訪。2時間を超える観察会で、熱心でした。暑くなくて良かったですね。)
それでも、モウセンゴケ、コバギボウシ、クルマバナ、アキノタムラソウ等の花を楽しまれていました。ハッチョウトンボも教えてもらえば気づきます。「えっ!こんなに小さいの!」 そうなんです、こんなに小さいんです。びっくりですよね。 でも、この小ささに驚くのはたいてい大人。子どもはほとんどびっくりしません。どうもトンボの大きさが分かっている大人は想定外でびっくり。でも、トンボ遊びをほとんどしたことがない最近の子どもは、そもそも想定がないので、ふ~んで終わり。どうしたもんですかね。
常日頃、来訪者の半分近くは木道をスタスタ歩いて、10分位(早い人は5分)で出口に到達してしまいます。「な~んもなかったね」はよく聞く感想。ひどい人は「雑草しかなかったばい」です。”ちょっとちょっと、何んば見に来たっですか?みんな、雑草を見に来よっとですけど ”と思いながら、「ヒツジグサは見たですか?」と声かけして、ちょっとだけ案内してみます。顔つきが変わったらもう少し・・・。多くの来訪者にとって自然解説(インタープリテーション)は湿原理解を劇的に変えます。聞かなければ分からなかったこと、見えなかったことがそこら中に転がっています。理解から感動へ、湿原の素晴らしさにふれ、豊かな気分に浸ることが出来ます。
2mの指し棒は解説者(インタープリター)の必須アイテム。竹の棒を持った優しそうな(?)おじさんがいたらぜひ質問して下さい。ただ、出口に達するのに1時間はかかるかも知れませんが。