ミツガシワ

 葉は3枚の小葉にわかれていて、この形が「三つ柏」の家紋に似ていることが和名の由来のようです。
 北方系の植物で、東北地方には比較的多く見られますが、西日本では稀。氷河期、寒冷な気候をさけて南下してきた植物は、氷河期が終わり、気候が温暖になるにつれて北方へ戻っていきますが、一部は取り残される形で途中にとどまっています。このような植物を「氷河遺存植物」といい、ミツガシワはその代表的な種です。
 樫原湿原では昭和中期頃には湿地Ⅳ中央部域に見られましたが、その後生育域が広がり、現在は湿地Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ、Ⅴ、人工湿地に見られます。
 九州では福岡県、熊本県ですでに絶滅し、樫原湿原と大分県の一部に生育するだけ。樫原湿原~湯布院が分布の南限線。

 

  花期:4月  高さ:20~40cm
  分布 国内:北海道、本州、九州
     国外:北半球の高緯度地域に帯状に分布する(周極分布)  

 

ミツガシワ科 ミツガシワ属 (1属1種) 三槲
Menyanthes trifoliata L.

Bog-bean, Buckbean