佐賀県では生育地が限られ、絶滅危惧Ⅱ類種に区分されています。国内では北海道~九州に分布しますが、多くの地域で生育量が減少し、絶滅危惧種に分類されています。樫原湿原では湿地Ⅱと人工湿地に比較的多く生育し、シズイの希少性を理解している研究者が見ると驚きます。
ところが樫原湿原周辺の水田地域にも生育し、ここではとんでもない厄介者として嫌われています。水田で使う一般的な除草剤が効かず、一旦入ると次第に増加し、密生して稲の生育を阻害して収量減につながります。上の最初の写真では除草剤で少し枯れかかっていますが、発生がだらだらと続きますので、その内除草剤が効かなくなり増加していきます。「難防除雑草」の中でも取り分けやっかいな植物なのです。
この地域の米は農薬使用量が減らされ、「特別栽培米」として販売されています。むやみやたらに強い薬品を使うわけにもいかず、農家にとっては大変困る、憎たらしい雑草なのです。
カテゴリー