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今日の樫原

獣害対策

掘り起こし被害
ワイヤーメッシュ
ワイヤーメッシュ

 樫原地域にイノシシが見られるようになったのは昭和50年代以降という記録があります。それでも目立った被害はほとんどなく、平成17年(2005年)からの自然再生事業でも話題になることはありませんでした。しかし、2010年代になるとあちこちで掘り返し被害が見られるようになりました。当時は自然環境保全地域、鳥獣保護区でのイノシシの振る舞いは「それも自然」との考え方で対策はしないという対応でした。そんな中で、周辺農地では被害が目立つようになり、水田をワイヤーメッシュ(防獣メッシュ)で囲み、駆除対策も取られるようになりました。結果、湿原地域で掘り返し被害が増加し、対策が迫られる状況になってきましたが、具体策の実施に踏み切れない状況が続きました。そうこうするうちに、2021年はこれまでにない面積での被害となり、ワイヤーメッシュ設置が決まりました。ただ、予算上の制約もあり、2022年の設置は湿地Ⅰの半域にとどまり、イノシシの出入りを止める状況にはなっていません。2022年の被害は史上最悪で、上の写真の様に湿地Ⅰの低茎群落域は徹底的に掘り返され、心が折れそうになりました。2023年度事業で残り半域にワイヤーメッシュが設置される予定ですので、あと少し、我慢の日々が続きます。

箱罠
仕掛け
2016/10/17撮影

 樫原を含む桑原地区にはイノシシ捕獲のための箱罠が各所に設置されています。仕組みは簡単で、米ぬかなどの餌を置いた部分に竹の棒を立て、箱罠の入り口部分を引き上げているひもの端をその竹の棒で止めておきます。イノシシが動き回る内に竹の棒に触れ、棒が倒れると、「止め」がはずれて入り口が落ちて出られなくなる仕掛けです。この罠で随分駆除されていますが、イノシシの増殖率も高く、個体数を減少させる状況にはなかなかならないようです。それに、罠には子どもは入りますが、最近の成獣は学習していて入らないそうです。今のところ、知恵比べは人間の方が少し分が悪いようです。

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